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【2024/04/30 03:19 】 |
【Classical】Modest Mussorgsky 「組曲『展覧会の絵』」
Modest Mussorgsky 「Tableaux d'une exposition」 





亡き友に捧ぐ、死せる言葉と歌の回廊


個人的にバーバ・ヤガーの家とキエフの大門が大好き
動画は我らがゲルギエフ先生。はーやいはやい…

『展覧会の絵』はムソルグスキーの友人であったヴィクトル・ハルトマンの遺作展を歩きながら、そこで見た10枚の絵の印象を音楽に仕立てたもので、この「プロムナード」はムソルグスキー自身の歩く姿を表現しているといわれる
エーリッヒ・ハルトマンじゃないよ

ヴィクトル・ハルトマンはロシアの建築家・画家で、当初は挿絵画家として活動し、ロシア開基一千周年の記念碑をデザインしていたり、外国に旅して水彩画や鉛筆画を残したそうです
ハルトマンは、伝統的なロシアのモチーフを自作にとり入れた最初の美術家の一人らしく、36歳の時にムソルグスキーの親友となり、39歳で動脈瘤により夭折
ムソルグスキーはこれによりピアノのための組曲『展覧会の絵』を作曲したそうです

実はこのときのムソルグスキーの落胆ぶりは大きかったらしく、残された手紙などによると、ハルトマンの体の異常に気づきながら友人としてなすべきことをしていなかったのではないかと自責の念にかられているようです
ハルトマンの遺作展から半年後に、ムソルグスキーは『展覧会の絵』を作曲する。作曲作業の遅いムソルグスキーにしては珍しく、わずか2 - 3週間足らずで一挙に作曲されたそうです(ボリス・ゴゥドノフは3ヶ月ぐらいですし、そもそも大体が未完)


ここでは、各タイトルと曲の簡単な解説を入れていきます

「小人(グノーム)」
グノームとはロシア民話に出てくる「地底に住む小人の妖精」。人に良く似ていますが、足が奇妙に曲がっているそうです。ハルトマンの遺作展のカタログに「グノーム、子供の玩具のデッサン、クリスマスツリーの飾り」という作品が見られますが、失われたのか、題名のない絵のどれかなのか不明
余談だが、「ハルトマンの妖怪少女」はこの最初がモチーフとかなんだとか…

「古城」
「古城」という題名の絵がなく、題名がイタリア語で記されており、歌劇「ルスランとリュドミラ」の舞台装置のために描かれた「チェルノモールの城」がこの曲のモチーフになったという説が有力。
ロシアの芸術評論家スターソフは「中世の城。その前では吟遊詩人が歌っている。」と記している

「テュイルリーの庭 - 遊びの後の子供たちの口げんか」
パリのテュイルリー公園(ルーヴル宮殿前の広場)で遊ぶ子供たちの口喧嘩をモチーフにした作品。パリの街角で遊ぶ子供をスケッチした絵はあるが、標題にマッチする絵はなく、モチーフとなった絵は特定できていない

「ビドロ」
ビドロとは、ポーランド語で牛車のこと。ビドロという言葉に「家畜のように虐げられた人々」という意味があるため、最近では、当時の圧政に苦しむポーランドの人々の苦悩を表しているという解釈が有力。ハルトマンの「ポーランドの反乱」という絵を関連付ける説がある

「卵の殻をつけた雛の踊り」
モチーフはバレエ「トリブィ」のために描かれた衣装デザイン画

「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」
ハルトマンがポーランドでスケッチしたユダヤ人を描いた2枚の絵がモチーフ。金持ちのユダヤ人と貧乏なユダヤ人との会話を音楽で表現している。ムソルグスキーは、当時ロシアで虐げられていたユダヤ人に対して同情的立場をとっており、ヘブライの旋律にも詳しかったとか

「リモージュの市場」
フランス中部の都市リモージュのにぎやかな市場がモチーフ。この街で描いたハルトマンのスケッチは数多く残されているが、絵は特定されていない。スコアには「女たちが喧嘩をしている、激しく激昂してつかみかからんばかりに」という記述がある

「カタコンベ - ローマ時代の墓」
カタコンベとはローマ時代のキリスト教徒の墓のこと。古代ローマ時代キリスト教徒は迫害を受けており地上に墓を作ることができず、地下に遺体を安置し、白骨化した骨を壁沿いに積み上げて行ったといわれている。絵の人物はハルトマンと友人ケネスと言われいる

「鶏の足の上に建つ小屋 - バーバ・ヤーガ」
バーバ・ヤーガとは、ロシアの伝説に登場する魔女で、「深い森の奥の人骨の柵に囲まれた空き地にある、鶏の足の上に立つ小屋に住んでいて、臼に乗って杵でこぎ、ほうきで跡を消しながら現れる」とされている。モチーフとなった絵は、バーバ・ヤーガの小屋をイメージした「置き時計」のデザイン画。どちらかというと、バーバ・ヤガーのイメージで書いた曲

「キエフの大門」
キエフ市(現在のウクライナの首都)に凱旋門を建設する計画があり、キエフ市が募集したデザインのために書かれたデザイン画がモチーフ。ロシア正教会の象徴であるタマネギ型の屋根を持ち、カリヨン(教会の鐘)が3基付いている巨大な門


ってなかんじです
まぁ絵画的なイメージではなく、どちらかというとムソルグスキー自身のイメージからなってる曲なので、興味のある方は絵を見て、なんとなくこれが元なのねってのを分かってもらえればと思います



おまけ
冨田編 組曲「展覧会の絵」
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【2011/11/20 23:51 】 | 【Classical】 | 有り難いご意見(0)
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