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【2024/04/17 06:31 】 |
【Classical】John Cage 「4'33''」
John Cage 「4'33''」



第1楽章 休み
第2楽章 休み
第3楽章 休み


別に手抜きじゃないです
クラシック現代音楽の珍曲としてやけにネタとして扱われるこの曲
金払ってコンサートに行ってこんなの出されたらそりゃ起こりますわ


ここでは、作曲の思想と音楽とはという問について考えます


ジョン・ケージは、アメリカ出身の音楽家であり作曲家、詩人、思想家、キノコ研究家
なんか親近感わきます
キノコを好む理由の一つとして、辞書で "music" の一つ前が "mushroom" だったからとなんともわけのわからない理由が挙げられていますが、ケージはキノコから創作や思想の着想を得ており、みずからの音楽論とキノコの関係について語り、キノコの生態が出す音について想像し、エリック・サティの音楽をキノコにたとえたそうです
キノコの魅力として汲み尽くしがたい点をあげ、知れば知るほど識別する自信が薄れると語ったとか

確かに植物かと言われれば植物ではなく、動物かと言われれば動物ではない、なんとも珍妙ながらも時には美しい姿を、時には奇想天外な容姿を、有毒かと思ったら他の動物には無害とか、なんとも変なものであるキノコですが、着想を得たってのは割とわからんでもないです


実はジョン・ケージ、禅の思想に強く影響を受けており、ある意味この曲はその東洋的思想を(賛否はわかれるものの)しっかりと表しているようにも感じます
晩年には「龍安寺」や「俳諧」といった日本の題材の作曲も行っており、1989年に京都賞を受賞した際「絶対に正装はしない!シャツとジーンズで出る」と言い張りもめて、「日本の伝統衣装、たとえば羽織袴なら」というスタッフの意見に好意を抱き、羽織袴着用で受賞したなどという話もある日本好き(?)だったようです

さて、この曲が作曲された背景。
ある日、ハーバード大学の無響室を訪れたケージは、「無音」を聴こうとして無響室に入ったが、曰く彼は「『二つの音を聴いた。一つは高く、一つは低かった。エンジニアにそのことを話すと彼は、高いほうは神経系が働いている音で、低いほうは血液が流れている音だと語った。』」と言う
無音を体験しようとして入った場所で、なお音を聴いたことに強い印象を受け、「私が死ぬまで音があるだろう。それらの音は私の死後も続くだろう。だから音楽の将来を恐れる必要はない」と語り、無音の不可能性をみたという

なんか世にも奇妙な物語でこんな話を観た記憶があります。Be Silenceだっけ?

この無響室の一件で、この「4分33秒」が作曲されたそうです
1950年代初頭に彼が創始した偶然性の音楽(不確定性の音楽)の最も極端な例であるこの曲
東洋思想の影響で、「音を音自身として解放する」「結果をあるがままに受け入れる」という作曲の姿勢から、いわゆる「無」を聴くものというよりも、演奏会場内外のさまざまな雑音、すなわち、鳥の声、木々の揺れる音、会場のざわめきなどを聴くものであるというコンセプトがあるようです


一括りに現代音楽にくくって変な曲の代表のように扱われますが、エルヴィン・シュールホフの「五つのピトレスケ」やアルフォンス・アレーの「耳の不自由なある偉人の葬儀のために作曲された葬送行進曲」といった作品のようなダダイスト的な作曲意図を読み取ることが目的ではなく、実際に無音の空白を聞き取るという、音楽的な作曲意図が存在するので、私はこの曲を評価します


もし余力があったらそのうち実験音楽や電子音楽、偶然性の音楽からミニマリズムまでの現代音楽についての思想などの説明を書くかもしれません
文章だらけになってもいいという意見があれば、書きます


この曲ではありませんが、私は夏休み、日の出前にベランダで胡座をかいて10分間聴くことだけに集中するという事をやっていました。かすかに聞こえる風の音から、次第に揺れる葉の音、かすかに聞こえる鳥の声などを聞いて楽しんでいました
皆さんも是非、何もせずに、世界に耳を傾けるということをやってみてはいかがでしょうか



おまけ
Sonata II For Prepared Piano


プリペアド・ピアノ、要するに、魔改造
でも割りと可愛らしくて素敵な曲


Dream


非常に聴きやすい


おまけ②
エルヴィン・シュールホフ「五つのピトレスケ」

ジョン・ステッド「Play II」

トム・ジョンソン「Imaginary Music, No. 65. Syncopated Texture」


武満徹「コロナ」


うちゅうの ほうそくが みだれる
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【2011/11/21 00:25 】 | 【Classical】 | 有り難いご意見(0)
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