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【2024/04/23 15:37 】 |
【Classical】Anton Webern 「交響曲」
Anton Webern 「Symphony」




時代が追従した悲劇の作曲家




できるだけ簡単に済ます

アントン・(フォン・)ヴェーベルンは、オーストリアの作曲家であり指揮者、音楽学者である。シェーンベルクやベルクと並んで新ウィーン楽派の中核メンバーであり、なおかつ20世紀前半の作曲家として最も前衛的な作風を展開したが、生前は顧られる機会がほとんどなかった。
しかし戦後の前衛音楽勃興の中で再評価され、世界的に多くの作曲家に影響を与えたという人物

()書きに関して、ヴェーベルン家はクロアチアなどに領地を所有する貴族の家庭であるが、本人はミドルネームを公式には使わず、厭戦的な思いやオーストリア帝国崩壊を受けてか貴族の称号である"von"を姓から外したそうです


21歳の頃からシェーンベルクに師事して作曲修行を続け、音楽家として独立してからは各所で指揮者として活動しました
第一次世界大戦後シェーンベルクを輔佐して私的演奏協会を設立。1922~1934年までウィーン労働者交響楽団の指揮者を務め、BBC交響楽団にも定期的に客演を続ける。盟友ベルクが急逝すると、遺された《ヴァイオリン協奏曲》のイギリス初演で指揮を執った

1938年にナチス・ドイツによりオーストリアが吸収合併されると、ウェーベルンの音楽は「頽廃音楽」「文化的ボルシェヴィズム」の烙印を押され、演奏活動で生計を立てることは困難となる
終戦後に作曲活動を再開する思惑から、ウィーンを去ってザルツブルク近郊の娘の家に避難
しかし、娘婿が元ナチ親衛隊で、当時は闇取引に関与していたことにより悲劇が起こる
同年9月15日、喫煙のためにベランダに出てタバコに火をつけたところを、オーストリア占領軍の米兵により、闇取引の合図と誤解され、その場で射殺される
享年62歳


もうここだけで疲れてきた
酒がないとだめだな…


因みにナチス政権への親近感から、弾圧されながらも亡命の道を選ばず、「自分ならば、ヒトラーに十二音音楽の意義を納得させることができる」とすら考えていたらしい


この交響曲は、ニューヨークのコンポーザーズ・リーグからの委嘱によって1928年にウィーンで作曲、初演は翌年の12月18日にフィラデルフィアで行なわれる
初演で演奏が終わった後、聴衆は反応に困ってさんざん嘲笑され、作曲者の泣き声を覆い隠してしまった程で凄まじく失望したといわれる
しかしウェーベルンの後進への影響は大きく、とりわけ戦後の前衛音楽への影響は特に濃厚であったとか
我らがジョン・ケージは、ウェーベルンの独自な時間感覚やリズム構成をとらえて、「音楽の神髄とは間合いと呼吸にあることを教えた作曲家である」という趣旨の発言をしている
ストラヴィンスキーは、シェーンベルクと互いの作曲姿勢に反発し合ったにもかかわらず、秘書で指揮者のロバート・クラフトの手引きで十二音技法に精通するようになってからは、ヴェーベルンへの傾倒のもとに自らの晩年様式を開花させていくこととなった

作風として、後期作品は十二音技法が使われ、密度の薄い音響体と冷たい情感が特徴的だが、緻密且つ明晰な構造を持ち、音高以外の要素も組織的に扱おうとする傾向が見られる

ウェーベルンは時期ごとに音楽を変化させていった中でも、以下のような特徴がある

・あらゆる音符が明晰に聞き分けられるほど、非常に簡素な質感
・念入りに選び出された音色
・実に事細かな演奏者への指示
・特殊奏法の頻繁な利用
・しばしば長7度音程を越える旋律の跳躍
・楽曲の極度の短さ

シェーンベルグの影響あって、作品は12音技法により作曲されているが、初期の作品群は複雑な手法で、演奏の難しい音楽に仕上がっている。
しかしこの交響曲以降は一転して非常に簡素な作りとなっている作品で、いわば古典的な作風でもある。楽器編成も小規模。


この交響曲は初期の短小な作品の純粋さを失わせず、シェーンベルクの十二音技法の援用による大規模とそれに相応しい持続の獲得を果たした作品であり、全体はひとつの音列の展開によって形成されており作曲者が得意とした音色旋律により音列が各楽器に次々と受け渡され、音列によるカノン主題ごとの楽器の音色まで入念に計算されているのが特徴

確かに数ある他の作曲家の12音音楽に比べるとなんとも簡素で明瞭明快、それでいて紐解いてみると非常によく出来た曲である
個人的にヴェーベルンの作品は12音技法を学ぶ上で非常に分かりやすく、勉強になる(和音も良く覚えてないくせによく言うわ)
わかりやすさで言えば「パッサカリア」も別な意味で分かりやすいのだが、この作品は理論的に優れている且つオーケストレーションの極みのような感じ
近現代の音楽を学ぶ上で、教科書のような一曲でした

いずれ12音技法についても触れたいところだけど、どうにもここにまとまる気がしない…


「子供がコンパスと定規を使って作曲する日が来るのも、決して遠いことではない」と言っていた、その構想も非常に気になるところである
それは現代、クセナキスのUPICの発明に引き継がれていったのだろう



おまけ
「Passacaglia」
『ドラえもんのうた』12音音楽版

世の中には阿呆なことを考える人間もいるものである

ドーラえーもんーの異常な存在感
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【2011/12/11 21:17 】 | 【Classical】 | 有り難いご意見(0)
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